Volcker Plan

バイサイドからの反応

広義のウォールストリート(金融業界関係者)として語られることの多いバイサイド(投資家サイド)では、実は投資銀行の過剰な業務拡大やインセンティブシステムなどについて、以前より批判の声が上がっていました。

先ほど大手LBOファンドのKKRが、資金調達やM&Aの仲介サービスを自社に提供する存在であるはずの投資銀行が、自社内ファンドを持って投資案件のビッドにおいて競合となりつつあることを批判した話に触れましたが、投資信託ヘッジファンド業界でも、証券会社が対顧サービスのトレーディングとプロップトレーディングの間の情報隔壁(チャイニーズウォール)を守っておらず、自分たちのオーダーをフロントランしていると、批判する向きもあります。

また、Bloombergの1月22日の記事「Bank Failures Should Destroy CEOs(銀行破たんはCEOを破滅させるべき)」によると、世界で最も高名な株式投資家で、大手銀Wells FargoやGoldman Sachsの大株主でもあるWarren Buffett氏は、大銀行の経営者のインセンティブストラクチャーは大幅な変更が必要だ、と主張しているそうです。

常に正論を述べるBuffett氏らしい主張ですが、「銀行が破綻した時に、500億円の報酬が50億円になるのでは、全く懲罰的と言えない」、「銀行が破綻した際には、CEOや家族の資産は没収され、経済的に『破滅に追いやられる』べきだ」、「GMレイオフされる従業員と、何ら扱いに違いがある理由があろうか」などと、かなりドラスティックなコメントを発したそうです。

はじめに大胆なプランを発表しておけば、後でそれに比べて甘い規制に修正しても通りやすくなるので、それを狙ったものなのかなとう気がする。でも個人的にはこれくらい厳しい規制でも賛成してしまうなあ。