『ソーシャル・ネットワーク』を見てきた(前編)

先週末に東京国際映画祭で『ソーシャル・ネットワーク』を見てきた。
ソーシャルネットワーク』はFacebookドキュメンタリー映画
普段は映画をほとんど見ない自分が速攻でチケットを確保した。その甲斐あってシアターのど真ん中の席で観れた。


とてもおもしろかったので内容を書きすぎてしまわない程度に紹介



主人公のFacebook創業者マーク・ザッカーバーグハーバード大学2年生で、ボストン大学に在籍するガールフレンドと口論している。
ボストン大学マサチューセッツ州にある有名大学だが、すぐ近くにある超有名校ハーバード、MITに対して嫉妬心をもっているとかいないとか。

オタクっぽい男子とリア充っぽい彼女の口論の結果、マークは彼女に振られる。


そんな出来事からマーク・ハッカーバーグはハーバード大学寮の既存の名簿データから女生徒の顔をランク付けするサイトを作る。
これが大ヒット、大量のアクセスがあり大学のサーバーが落ちる。マークは呼び出されるが悪びれる様子はなし、大学内で悪名が広まる。


その事件を知ったハーバードの学生ウィンクルボス兄弟に学内SNSのアイデアを聞かされ仲間に誘われる。
マークはよりクールなものが作りたいとSNSを自分一人で作る。ギーク(ナード)であるマークは友達が少ないので、友人でありCFOを名乗るエドゥアルドの人脈や少しの資金を生かしてFacebookはたちまちハーバード大学内に広まる。


ウィンクルボス兄弟チームはそんなマークのFacebookを快く思わず自分たちのアイデアのパクリだと主張。
マークを訴訟で潰そうとするがチームリーダーは紳士的に行くべきだと訴訟には踏み切らず裏であの手この手を考える

マークは自分を振った元カノに偶然出会う。ハーバードでは知名度のあるFacebookもボストン大には広まっておらず、軽くあしらわれる。
これを機に他大学への拡大志向を強める。Yaleやコロンビア、そしてStanford


所変わってITベンチャーのメッカStanfordでとあるシリアルアントレのショーンがFacebookを見つける。
ショーンはマークへ接触を図り、マークは彼を気に入るがエドゥアルドは彼を警戒する。ショーンにはドラッグなど黒い噂があった。


マークはStanfordへ住居を変えFacebookをより大きくする。ショーンはFacebookと投資家を結びつけそれを後押しする。
一方エドゥアルドはNYでFacebookの営業に奮闘するが実績のあるショーンとの差は歴然。嫉妬心と自分の居場所がなくなっていくことから、感情的な行動をおこし会社に損失を与える事態へ。


その行動とCFOとしての力量不足から役員としての立場を追われる。エドゥアルドの知らないところで新株が発行されておりエドゥアルドの占有率だけ急激に低下。
実質的に会社への発言力も地位も剥奪され、追い出される。マークに対して訴訟を起こす引き金となる。


一方、ハーバードでマークにSNS創設をもちかけたウィンクルボス兄弟もFacebookが大陸(ヨーロッパ)に浸透したことをきかけに訴訟を起こす。


この2つの訴訟を織り交ぜながらストーリーが進んでいく。
スピード感溢れる展開とリアルに伝わってくる雰囲気にとても惹かれた
FacebookSNS、スタートアップ全般に興味がある人は特におすすめです。



自分の感想は後編で書く(かもしれない。)



創業から現在までより詳しい顛末は書籍になってる。
映画はその事実をベースにしたフィクションという位置づけらしい


だが、本当に個人に任せる事が正しいのだろうか?結局アメリカでは人種による差別を禁止し、個人の自由意志に任せた結果、白人が住む地域と黒人が住む地域がハッキリ分かれてしまっている。シンガポール政府は強制的に共存させて政治的対立が起こらないようにしているのだがむしろこのほうが差別防止のためにはいいかもしれない。

なんにせよ、個人の自由意志に任せるからこそ社会が不幸になることもあるし、だからと言って何でも政府が決めるのが人権侵害というのは間違いではないし、結局どちらが正しいという問題ではなく戦略の問題であろう。ただ、とにかく間逆であるのが面白い。

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というわけで、日本ともアメリカとも全然違う、とってもユニークな国なので色々な意味で非常に刺激を受けた。やっぱり現地に直接出向いてみないと本当の国の姿は見えないね。もっといろんな国で仕事をしないと、成長速度が鈍るばかりだなあ、と痛感した出張でした。

ちなみに、最近若い人がよくシンガポールに脱出するのもうなずける。シリコンバレーに匹敵する国際性で、日本食やアジア食もおいしい。英語も通じるし。別にどこの国でもよくて、手軽に国外脱出したいなら、たぶんシンガポールが楽だと思います。(最近は昔ほどは楽ではないみたいですが、それでもアメリカよりはずっと楽だと思います。)

? Maintain and cultivate the friendships you have built here.

? Say one good thing about a person each day ? to that person.

? Help someone each day. Allow them to grow. They will help you grow. You can not grow on your own.

? Think of life as a marathon ? not a sprint. Each of you will work for another 40 years. How do you win?

? Treat wealth with respect, especially other people’s wealth. Spend each dollar as if it is your own.

? Remember ? lives of many people will depend on what you do. It is a heavy burden.


人生は短距離走ではなくマラソン。この先40年ばかり働くわけでしょ。そこでどう勝負するか。まずは健康。勝負の場に身をおけなきゃ話にならない。そして変化を受け入れること。過去40年の変化を考えれば、この先40年の変化の程度は想像できるはず。そして、自分より優れた人間を進んで部下にすること。マーケティング部門で新しい人を採用するかどうかにあたっては、教授陣に対して、その人が自分より優れていると思うかどうかで判断をしろと常々いっている。人生のマラソンでいい勝負をするには、自分より優れた人に働いてもらうことが何よりも必要。

・相手にとってのメリットを感じさせること。メリットなければ、相手を持ち上げること
    これは前からやっていたが・・・

・申し訳なさそうに言わないで、答えてくれて当然、という感じで聞くこと。(とくに電話1人目に)
    相手にとってメリットのないことを、「いかにも当然」と聞くのは、僕の性格上難しいんだけれど、
    これって結構重要
?
・わかりやすく話すこと
    わかりにくさは、それだけで罪!


・相手の口調・テンポにあわせること
    ゆっくり口調なひとにはゆっくりと、早いテンポの人にはきびきび手短に。

もう一つは前のエントリに書いたように、将来自分が達成したいことに比べると、根本的に今の自分を変えないといけない、「破壊的」自己革新。
私の場合は「個人の才覚と瞬発力に頼らない自分になる」だったが、
逆に「人に頼らず、個人の力で人を引っ張っていけるようにする個人力をつける」でも、
本人がIt's high time to change...(もう変わんなきゃ潮時でしょ)と思うものなら何でもいいと思う。

まあ、せっかく仕事から離れて、2000万円以上の機会費用を払うことを考えると、
じっくり内省し、将来を考える時間があるし、人間関係でも時間の使い方でも色んな実験が出来るので、
破壊的に自分を変える目標を含めるのが理想的だと思う。



確実に何かを得られるように、両立可能な目標は複数持っているほうが良いと思う。

で、2年間という限られた時間を、何を優先させて、どのくらいの時間を使うか、考える。
言ってみれば「目標のポートフォリオ」を組むわけだ。

またMBAに来てから、色んなリソースがあることを知ると思うので、それに応じて、
自分の目標のポートフォリオも少しずつ更新していくのが良いと思う。


得られるリソースによって、達成目標も少し変わることもあると思う。
上の目標は今でも変わらないが、このブログが有名になって、皆様にいただけるフィードバックから
(ネガティブなのも含めて)学ぶことが増え、
「日本語での発信の仕方を学ぶ」というのも、今の私の目標の一つに加わり、時間配分もかわっていった。

逆に「旅行」は、今後もいつでも出来るんだからいいや、と思えるようになり、最近はずっと旅行にも行ってない。



どこのMBAでも最初に習うと思うが、人は「Uncomfortable Zone」に置かれたとき飛躍的に成長する。
勉強が好きな人は、大してつらくもなく勉強を続けることで「持続的な成長」はある程度可能だろう。
しかし、上に書いた「破壊的な自己革新」が起こって大きく成長するのは、「つらい」と思うときなのだ。



持続的な成長でも、短期間に大きく成長しようとしたら、「Uncomfortable zone」に突入するのは必須だ。
例えば私は英語での発言になれるため、「授業では必ず1時間1回は発言する」というのも課した。
クラスの状況に応じて、達成しないときもあったけど、どんなに予習が間に合ってないときでも、
必ず何か意味のあることが言えるよう、頭をフル回転させて考えた。
楽はしないように心がけた。



こんなのもある。私の会社の先輩には
「毎週末、必ず同じMBAの学生が集まるバーに行き、ネイティブの学生に5人以上話しかけて、
1時間以上会話を持たせる、を目標に1年間やる」という目標を立てて実践した人がいた。

実際にやってみると分かるが、これは結構きつい。
無視こそされないが、英語のせいで話が進まず、
相手が飲み物を取りに行ってしまう(そして自分から去る)、ということも多々あり、心がめげそうになる。
しかし、その彼はこれを自分に課して、その2年間で相当流暢に英語がしゃべれるようになった