池尾さんのインタビュー

―日本と対照的に、欧米ではケインズ経済学が過去のものと見なされているのはなぜか。

 欧米は第二次オイルショック時にスタグフレーションに見舞われ、塗炭の苦しみを味わったからだ。オイルショックによってサプライサイド(供給側)に大問題が発生したのに、総需要喚起というケインズ政策で立ち向かい、不況を克服できないままハイパーインフレーションを引き起こしてしまったのだ。だから、ケインズ政策に対して、欧米には深い懐疑がある。