日本のITを海外へ
日本はIT先進国 「日本ダメだ論」を超えて
夏野 日本のプレゼンスを上げよう。
“日本ダメだ論”がすごいんですよね。「日本がダメだ」と言いたい人がすごく多いんですよね、日本って。
ひろゆき 日本をダメって言うのが好きですからね、日本人が。
夏野 日本がダメだとすごくうれしそうにする日本人、いっぱいいるよね。普通はうれしくないと思うんですけど、「やっぱ日本ダメだ、だから俺もダメなんだ」という感じだよね。自分の会社がダメだとうれしい人がいるよね。なんでだろう。
日本でビジネスをするなら日本の悪い点を指摘するのが定石だからだろう。
でも日本はITに関して言うと、大先進国なんですよね。海外に出張すると、海外の状況がすごく遅れているというのが分かるんです。光回線がこんなに普通に引かれている国はないし、ブロードバンドもこんなにない。アメリカではいまだに1Mbpsをブロードバンドと言ってますから。
携帯でネットにアクセスするというのも。Googleケータイのどこが何が新しいかさっぱり分からない。全部ほとんど日本の携帯でできることですから。
ひろゆき 世界中でiPhoneすげーと言ってたとき、いまの携帯でだいたいできるよね、と日本だけ冷めてたってのもありましたよね。
夏野 ところが「日本は遅れてる遅れてる、ガラパゴス」と言われるんだよね。
ひろゆき 独自進化をしやすいので、日本は。
夏野 そんなこと言ったらWiiは独自進化じゃない。プリウスなんかめちゃめちゃ独自進化。日本メーカーしか作ってないのに。
ひろゆき 海外にちゃんと受ける形で、文化に合わせた形でフォーマットやコンセプト変えて出すと、結構受けたりするんですよね、日本で流行ってるものって。
日本の携帯事業会社にはいろいろ不満があるのだが別エントリで書きたい。
日本の携帯電話はガラパゴスと呼ばれるのは遅れているからではなくてドメスティックすぎる理由からだろう。夏野氏は会社のトップ層・営業マンが英語ができないことが問題と指摘。
もともと何もない人がどうやって情報を出せるか、出した情報を使ってコミュニケーションをどうすればいいかまで考えてできていたりするんです。そこまで考えて作ってあるコミュニケーションサービスはほかの国にそんなにないと思うんです。そういう独自進化。いずれそれも、海外に行くと思うんですが。
夏野 インターネットの未来を、まず日本から作るというくらいの気概で、ぜひですねぇ。
ひろゆき でも、メインカルチャーじゃないと評価しないっていう文化圏の問題もあると思うんですよね。
夏野 それを言っちゃおしまいだ! 今、締めに入ってるのに!
ひろゆき あら、時間ヤバイ? あの、同人誌の翻訳版って海外で売れてるんです。日本の本屋でも流通してないような同人誌イベントで売っている本を、英語に翻訳して海外に売っているサイトとか結構あるらしいです。
そうやって外貨を稼いでいる日本人はそれなりにいるんですよ。でもそこってメインカルチャーではないし、マスメディアも「すごい」と評価しない。ずっと裏の方でやっているという感じになって、たまに取り上げられると陵辱モノのアダルトゲームだったというような話になっちゃって。
表の人たちが「これはすごい」と言えないようなものでも細々とやってる人たちがいて、そういう人たちを支援することで全体の底上げをする手はあると思うんです。