民主党の財源調達場所

2008年度当初予算の213兆円のうちで,新規施策の財源のための見直し対象は67兆円ではなく,
 国債費 88兆円
 財政融資資金へ繰入 10兆円
 社会保障関係費 64兆円(見直し対象3兆円をのぞく)
を除いた51兆円が妥当な推計値の上限である。ここから10兆円の財源を捻出するには,地方交付税等も「聖域」としないで,平均して約20%の削減が必要だ。かりに地方交付税等を「聖域」とするならば,見直し対象は34兆円に縮小する。
 財政は確かに複雑でわかりにくいが,削減しやすい項目を25兆円も隠しておけるほど不透明ではない。
 民主党が,しがらみのない立場から無駄を削るというのは結構な話だが,無駄を削るだけでは10兆円の財源は出てこない。予算の優先順位を変えるために必要な事業も削る,という戦略的な取り組みが必要になるだろう。そして,予算の組替えの現実性を高めるには,見直し対象の考え方を理にかなったものにして,財源の目標値を下げることが必要だろう。
 衆院選マニフェストでは,歳出削減の具体策を明確に示して,高速道路を無料化するために,国民は何をあきらめなければいけないかを理解できるようにして欲しい。

日本の民主党は長期視点の欠落をよく指摘されている印象。実際に財政再建についての問答でも見通しを持っていないように思える場面を多く目にする。短期的な景気対策財政出動信仰の弊害をもっとも矜持しているのが日本の民主党のように思える。
個人的には今の日本には政府による配分調整政策が重要だと思っているので民主党には頑張ってもらいたいところ。
というかこの国は自民党の力が強すぎないか?
いや、嫌自民でも民主信者でもないんだけど、ちょっとバランスがおかしいなと思う。
民主党は頼りない」という世間のイメージが。