逆境下のコミュニケーション

数日前に一緒に飲んだ方のお父様はある大企業の広報を担当していたそうだ。記者がいかに酷い態度で質問をしてこようとも、そこで平静を失ったらその発言だけが報道される、ゆえに、絶対に悪感情を露にしてはならない、が鉄則だそうだ。逆境の中でのコミュニケーションでは人間の器を試させられることになりそうだ。とは言え、僕の器が一朝一夕で人並みに大きくなるとは思えないので、今のうちにコミュニケーションの授業でも取って、未来のために投資しよう。

そう言えば、まえに講演を伺った元ライブドア社長の平松庚三氏は、逆境下での社長就任に際して危機管理のコンサルタントを雇って記者会見のリハーサルを徹底的にしたと話されていた。企業を取り巻く利害関係者は多岐に渡るどころか、何かの拍子に利害関係などまるでない世間からも注目を集めることがあるだろう。企業は(好意的に考えれば期待の裏返しとして)とかく攻撃の対象になり易いので、個人として、あるいは組織として、逆境下のコミュニケーションに備えるに越したことはなさそうだ。