最近は事業再生ビジネスのニーズはかなり増しているらしい(米国)。米国の何がすごいって、危機でヘコまされても経済の新陳代謝が活発なのですぐに立ち上がってくるところ。経済発展にはイノベーションはたしかに必要だけど、そうして創出された新産業に資本・ヒト・技術がすみやかに流れていかないと経済発展のスピードは上がらない。古い産業から、新しい産業へのリソース・シフトが必要だ。だから古い産業のスリム化や退出をスムーズに進めるのもとっても重要な仕事だ。VCとかと比べて地味だけど、そこに事業再生の(マクロ経済的な)意義がある。

ビジネスに萌芽期→成熟期→衰退期というライフサイクルがあるのだとすれば、そのサイクルをスムーズに回していくエンジンが米国にはある。VC・ベンチャーは萌芽期を牽引し、PE(バイアウト)は成熟期のビジネスをLBOやRecapで合理化し、再生ファンドや今回の事業再生ビジネスは衰退期の企業を再生させるか、あるいは他へのダメージが少ないように整理する。コレに合わせ、流動的な労働市場や厚みのある資本市場がデンとインフラとして整っているおかげで、実に経済の新陳代謝が良い。

これも政府が意図的につくりあげたのでも、短期的に出来上がったのでもなく、市場と技術が歴史的に展開してきた産物なんだが、まあ本当にたくましい経済だと思う。