需要創出関連

正規雇用は、1996年では雇用者の約20%であったが、2008年には30%を超えている。


正規雇用者の増加が、若い年齢層に集中している。特に、男性の変化が著しい。1990年代半ばまで、25歳から34歳の男性の非正規雇用者は、同年代の雇用者の約3%しかいなかったが、最近では14%前後まで上がってきている。10年近く前までは、男性は正規雇用が当然だったのが、今では非正規雇用も珍しくない。


派遣労働者が増えたのは事実であるが、非正規労働の多数派は今でもパート労働などであり、派遣を禁止したところで、非正規労働がなくなるわけではない。
日本で非正規雇用が増えてきたのは、正社員の雇用保障と非正規社員の雇用保障に大きな差があるからである。正社員を雇用調整することが難しいため、企業は正社員で採用するよりは、非正社員を採用することを選んできた。


欧州では、経営上の理由による解雇は認め、失業保険や職業訓練は充実するというのが大きな流れだ。この点は、日本も参考にすべきである。目の前の失業者を救う方法を間違えると、その何倍もの失業者が発生するだけでなく、将来、日本全体が貧しくなってしまう。


急激な不況による大規模な失業を防ぐためには、政府による需要創出しかない。そのためには、増税も選択肢になる。増税による有益な公共投資・サービスの増加は、勤労者から雇用される失業者に対する所得再分配となり、公共投資が私たちの生活を豊かにしてくれる。単なる規制強化よりも、就職氷河期世代を救い、貧困問題の解決策にもなる。

世間でみられた派遣問題の解決のために正社員の優遇をやめ雇用流動化説にはあまり賛成できないが、この記事の最後のパラグラフに賛成する。政府による需要創出が第一である。そのためには増税も必要な手段だろう。