リーダーシップにおいて大切なこととして彼が繰り返していたのは、3つ。

1. keep a sense of humor
緊迫した状況であるほど、sense of humorを忘れてはならない。例えば自分は、危機の中で血圧計を腕にあてて幹部に見せて笑わせていた。冷静さを保って集中力を持続させるには、deflect(関心を一旦そらすこと)が大切だ。

2. communicate
危機下にあるほど、噂とそれ以外を選別して真実を関係者に伝えなければならない。sugarcoatしてはいけない(うわべを飾ってはいけない)。多分言いたいことが伝わっているだろうと高をくくってはならず、リーダー自らの姿を見せ、自らの言葉で語らなければならない。

3. do what you think is right
時には意見の相違があろうとも、自らが正しいと信じることをするのがリーダーだ。

中でも特に3つめのポイントが心に残った。

彼は繰り返し、当局(FEB、Treasury)には彼らの目的があり(=financial stability)、自分には自分の目的がある(=protect the company)、だから当局からどんなプレッシャーを受けても動じることはなく、自らが正しいと信じることを行ったと強調した。でなければ、財務長官からの催促に、今は自分のなすべき仕事をしていると、"Get f●cked!"と叫べるものではないだろう。

要するに、自分の仕事はあくまで株主と従業員を守りことであり、それより他は他のしかるべき責任のある人間が考えることだ、と。